ACW - NNNavi(エヌエヌナビ)第19回


コロナをきっかけに、働き方に関する様々な常識が覆りました(3密NG、リモートワークの利点、オンライン活用のメリット…)
これから働き方は、オフィスは、いったいどこに向かうのでしょうか?
ACWでは、そんな疑問に向き合い、ニューノーマル時代のよりよい働き方に関する考察、
提案、事例、ニュースをこちらの『NNナビ』にて配信していきます。是非ご覧ください!
第19回 Withコロナで更に売上を伸ばすパーソナルロッカー『iNON(イノン)』 2021/1/18


 今回は、Withコロナ、ニューノーマル時代で順調に売上を伸ばす商品、
パーソナルロッカー『iNON(イノン)』について、開発者のインタビュー内容をご紹介します。
コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部 ものづくり本部 ストレージ開発部部長 服部雅昭です(聞き手 ACW事務局 星野)。

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  • ■お客様にスピーディにお届けするために


    星野 : 『iNON』の開発の背景について、教えてください。
    服部 : 2016年くらいからフリーアドレスのオフィスが増え、パーソナルロッカーの需要が増えてきました。
         システム収納庫『エディア』のパーソナルロッカーの売上が伸びてきましたが、生産量や納期の面で課題がありました。
         というのは、収納什器高さのモジュールごとに扉タイプが変わる、鍵タイプでも扉が変わるということで、
         引き合いごとに違う種類の扉を何十種類も作らなければなりませんでした。結果、生産に時間がかかり、
         お客様の希望納期に届けられないといった問題が発生していました。そこで、確実にお客様に届けることができるよう、
         新製品に着手しました(2018年に発売)。


    『iNON』開発責任者の服部


    ■収納内部を徹底的に考える


    星野 : どのようなコンセプトで製品を開発されましたか?
    服部 : 納期短縮のためにできるだけモジュールの統一化を目指しました。最も重要視したのは収納内部の設計です。
         従来は既存の収納庫の外形サイズに縛られていましたが、今回は実際に利用する人が利用しやすいように、
         そしてできるだけ収納効率を高めることを目指しました。
         コクヨでは、ファイルやモバイルバッグ『mo・baco(モバコ)』などサプライ製品を扱っています。
         利用者のタイプを設定し、どのようなサプライをどのように置けば使いやすいか、徹底的に検証し、
         コクヨらしい提案ができることを目指しました。
         扉の内部形状についても課題を洗い出し徹底的に見直しました。結果、このような形状になりました。

         ●収納内部の設計
    【Before】 現状の課題を洗い出し、内部の設計を見直しました。



    【After】 ノートPCスペース含め、コンパクトに設計、タテ型のファイルも収納可能な『Sタイプ』
    コクヨの『KaTaSu』『NEOS』『モバコシリーズ』がすっきり収納できます。


    ファイルボックスヨコ型のみの 『Bタイプ』 も用意しました。大きめのノートPCの収納も可能。


         ●扉内側の設計
    【Before】 現状の課題を洗い出し、扉内側の設計を見直しました。




    【After】 メール穴は外から入れやすい横型に、トレー仕切りはクリアにし内容物がはっきり見えるようにしました。
    またスリットを設けはがきなども取り出しやすくしました。


         収納内部の設計を徹底的にこだわることにより、扉のサイズを統一化することができました。
         これにより、什器(箱)のサイズも4人用、6人用の二種類にまとめることができました。この二種類でも多様な
         バリエーション展開が可能です。
         組合せ商品として、オープンタイプ(1段)を用意しました。こちらは、防災備蓄品『パーツフィット』の収納を
         お勧めしています。総務の方が不在でも被災時にワーカーがすぐに持ち出すことができます。
         コートハンガーもたくさん売れています。働き方を見直し、ロッカースペースをセービングすることができます。
         ちなみにハンガーパイプは、角パイプを採用しています。これは吊ったハンガーが必ず横になる(見栄えよくする)
         ように工夫したためです。

    什器サイズは4人用と、6人用の二種類に統合、これで多様なバリエーションを可能にしました。


    星野 : 収納量はかなり少ない印象ですが、お客様の反応はいかがですか?
    服部 : パーソナルロッカーの導入は、フリーアドレスやABWといった働き方を変えることがきっかけになっています。
         この際、書類量を削減できるということで、満足いただいています。どうしても現状の書類量を維持したいという
         お客様には、『エディア』のファイルボックス2段収納タイプをお勧めしています。


    ひと目でわかる『iNON』紹介ビデオ(約120秒)です。是非ご覧ください。



    ■鍵タイプは用途に応じて選択できる


    星野 : 鍵タイプはいろいろあるようですが、どのように選択すればよろしいですか?
    服部 : 鍵タイプは4種類です。今回は全て共通の扉に取り付けられるようにしました。
         『プッシュオートロック』:最もお勧めタイプです。扉を閉めるとオートロックされます。
         またダイヤルも押した後が残らず元に戻ります。
         もちろんキーレスです。利用者にとって手間なくセキュリティを確保することができます。
         『ダイヤルロック』:最も売れ筋で、お買い得タイプです。悩んだらこれを選定ください。キーレスです。
         『ICカードロック』:ワンタイムロッカーとしてお使いになるとき、便利です。利用者は空いたロッカーに
         ICカードをかざして施錠すると、その人しか解錠することができません。
         (使用者固定のパーソナルロッカーとしても使用できます。)
         『シリンダー錠』:通常の鍵タイプです。コストをとにかく抑えたい方向けです。



    ■ニューノーマル時代に絶好調、新たなニーズも


    星野 : 『iNON』の売上はいかがでしょうか?
    服部 : おかげさまで、非常に好調です。このコロナ禍にあっても大きく売上を伸ばしています。
         Withコロナで出社率が下がり、フリーアドレス運用に見直されるお客様が増えています。
         パーソナルロッカーは不可欠な商材になっています。収納効率(スペース効率)も当然問われます。
         あるお客様では、分散していたグループ会社を本社ビルに集約、全てフリーアドレス化され
         パーソナルロッカーは全員の人数分新設されました。このような事例が増えています。

    星野 : 新たなニーズは出ていますか?
    服部 : 収納量を更に下げて、収納効率を一層高めたいといったニーズもあります。ぺーパーレス化が後押ししているようです。
         また、ノートパソコンは在宅勤務が多いため会社に置かないケースも増えているようです。そのスペースも
         削減できるかもしれません。
         個人の保管場所ではなく、郵便等の受け渡しのみに特化する要望も出ています。メールボックスのようなものですね。
         鍵タイプは今後も進化するものと思います。
         働き方が大きく変わる時代に今後もいち早く対応していきたいと思います。


    ■働き方改革提案 『ACW』 を応援します


    星野 : ACW会員の皆様にメッセージをお願いできますでしょうか?
    服部 : 会員の皆様には日頃より大変お世話になっております。『iNON』は働き方改革の象徴的な商品のひとつです。
         皆さまにできるだけスムーズに販売いただけるよう、『短納期カタログ』にも掲載し、お客様、会員様の要望に
         お応えできるよう、努力しています。是非ご提案ください。今後もACW活動を製品面で応援していきます。
         また、お客様や会員様のご要望がありましたら、是非聞かせてください。何卒よろしくお願いします。


     これからも様々な情報をお届けしたいと思います。
    会員様からのお声もお待ちしておりますので、ぜひ下のアンケートからご意見・ご感想をお寄せください。
    ありがとうございました。

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