コロナをきっかけに、働き方に関する様々な常識が覆りました(3密NG、リモートワークの利点、オンライン活用のメリット…)。
これから働き方は、オフィスは、いったいどこに向かうのでしょうか?
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第21回 省スペースでも働きやすい 『ストラタ』、『エルア』 2021/2/16
今回は、ちょっと気になる新製品のデスクとイス 『ストラタ』と『エルア』について、ご紹介します。
コクヨ株式会社 ファニチャー事業本部 ものづくり本部 空間戦略部 岡田和人(おかだかずと)、
シーティング開発部 佐川翠里(さがわみどり)、サーフェイス開発部 千田啓資(せんだけいすけ)に話を聞きました。
(聞き手:ACW事務局 星野)
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■「狭隘」のテーマから
星野 : 『ストラタ』、『エルア』 はとても気になる新製品ですね。是非開発の背景について教えてください。
岡田 : 実はこの製品、公立小中学校の職員室の働き方改革を目指して開発がスタートしました。職員室は、建築計画の視点から
大きさが概ね決まっています。ところが最近では英語やプログラミングなど新たなカリキュラムが次々に加わり、教員や
書類がどんどん増えてきています。そんな「狭隘」な環境で、いかに働きやすくしていくかが、最初のテーマでした。
左から、佐川(エルア開発)、岡田(ストラタ企画)、千田(ストラタ開発)
ストラタ、エルアの紹介ビデオをご覧ください(約2分)
■働く現場を見て、ヒントを得る
星野 : 企画開発はどのように進められましたか?
岡田 : 職員室での働き方を実際に見ることからスタートしました。整理すると以下のようなことがわかりました。
1)デスクの上は書類山積み状態(教科書や教材、指導要領、テストなどなど大量の書類をかかえています)
2)時間帯で活動が変化する(教室での授業や、職員室内でも立ち作業、デスクワーク、打合せなど・・・)
3)デスクをマルチに使いこなす。打合せや食事もデスクで行う。(ミーティングのスペースも無い)
このような課題に対して、解決を目指すことにしました。
職員室のイメージ 狭隘な空間に書類が溢れている
教員の活動分析 時間帯により働き方が変化する
■ターゲットは店舗や中小オフィス、在宅勤務にも拡大
星野 : この製品のターゲットは、教育市場だけではないですよね?
岡田 : そのとおりです。「狭隘」のキーワードで企画を進める過程で様々な意見がでてきました。
「店舗やディーラーのバックヤード・オフィスに使えるのでは?」、
「士業やスタートアップ、マンションオフィスなど中小の民間オフィスでもいいのでは?」、
「在宅勤務の家にもいい」、「通販でもきっと売れる」などなど。
そこで今回は、省スペースな空間で働くワーカーの働きやすさを支援する製品を目指すことにしました。
星野 : いいですね。 ACW会員のお客様にも多数いらっしゃいます。
■収納たっぷり、活動的なマルチワークの方にお勧め
星野 : それでは、『ストラタ』 の特長を教えてください。
岡田 : 1つ目は、収納たっぷりなこと。H900のW1200タイプですと、ファイルボックス(タテ型)が22個収納できます。
W900の3段収納庫(※24個収納)に近い量です。ワーク中も脚元の棚はほとんど邪魔にはなりません。
デスク(H900タイプ)天板下にはA4タテのファイルがファイルボックス22個分収納可能
デスクの天板面をスッキリしていただき、例えば教員であれば採点(模範解答、採点中、採点済みと3面置く場所が必要)
などデスクワークがしやすく、その場でミーティングや食事もしやすくなります。
2つ目は、忙しく活動的なマルチワーカー向けにH900タイプを用意したことです。立ち作業も可能(実はキッチン
カウンターが同等の高さ)ですし、『エルア』ハイタイプとの組み合わせで座ってのデスクワークも可能です。
3つ目は、コンパクトサイズであること。ワイドは最小W900、W1000、W1200が最大です。奥行きは全てD600と
しました。また、オプションで働きやすさを更に高めることができます。
働きやすさを更に高めるオプション類
星野 : 『エルア』 の特長も教えてください。
佐川 : 『エルア』 は、コンパクトな椅子でありながら座り心地にこだわったことが特長です。
そして、H900デスクという特殊な高さでもデスクワークがスムーズ行えるよう工夫しています。
調節できる機能は、上下昇降とロッキングの固さ調整だけに絞り、シンプルでわかりやすくなっています。
星野 : 親しみが持てる優しい形とカラーですね。とても気に入っています。
親しみやすく優しいデザインの椅子 『エルア』
ロータイプとハイタイプ
左からエルア、ミトラ、デュオラ
エルアはコンパクトサイズながら、座り心地も良い
■同じ部材で2機種開発、脚のデザインにもこだわりが
星野 : 企画開発中に苦労した点、こだわった点がありましたら教えてください。
岡田 : 立ち作業の高さをいくらに決めるか?これについては実際にいろいろな高さで使ってもらうワークショップを行い、
検討しました。椅子の乗り降りや、立ち作業、収納量、コミュニケーションのしやすさなどの観点で評価しました。
また教員は女性が多いこともあり、女性の働きやすさも重要視しました。結果H900をベストな高さとして採用しました。
千田 : 「ストラタ」はH900とH720の2タイプありますが、部材構成は全く同じにしています。H900に飽きたお客様は
H720に何も追加せず工具ひとつで切り替えることができます。(※組替えはコクヨロジテムに依頼してください)
また、部品の共通化は在庫運用上とてもメリットがあります。
配線カバーもみてください。全く同じものですが付け方を変えることで、片面用にも両面用にも使えます。
脚部のカラー、ベージュ色の塗装も大変苦労しました。オフィスというと白やダークグレーなどモノトーン系が主流なの
ですが、在宅も意識して親しみやすい色目を検討し、何度もトライしてこの色が出せるようになりました。
脚元の棚の耐荷重は、40㎏/棚あります。収納庫並みの強度を確保しています。
H900タイプとH720タイプは全く同じ部材構成 H900からH720への組み替えも可能
配線カバーは同じパーツを使い分けています
左)両面使い時の配線カバーは、前後フラットで配線を収納しやすくしている
右)片面使い時はL型になり配線が落ちないようにしている
星野 : 脚部のデザインは非常に特長的ですが、この形になったのは何故ですか?
岡田 : 従来デスクはL型脚が主流、通販商品では□脚がありますが、今回は従来とは全く違うデスクというメッセージを
伝えたかったからです。両面使いにすると、とてもきれいなA型になります。また、高さの違うデスクが横に並んでも
違和感なく、とても美しい見栄えとなります。
星野 : なかなか奥の深い、魅力的な製品ですね。
脚は特長的なA型 ・ 高さ違いで並んでも美しい見栄え
■コンパクトな椅子へのこだわり
佐川 : H900デスクの椅子のつくり方には大変苦労しました。今までに該当するオフィスチェアーがありません。
サークル形状のフットレスト付きチェアーはあったのですが、大きくて邪魔になりコストもかなり高いものでした。
今回は思い切ってコンパクトなフットレストを脚部と一体成型でつくることにしました。
また、デスクの棚に干渉しないよう、高さや位置も工夫しました。
ハイタイプは、H900のデスクとH700の高さの両方に対応できるよう上下の昇降ストロークは150mmあります
フットレストは脚部と一体成型、デスクの下棚に当たらないようにしました
星野 : 座り心地もとてもいいですね。ホッとする安心感があります。
佐川 : コンパクトな椅子でありながら、クッションを厚くしています。また座クッションの裏側に溝を切る工夫をしており、
これで快適な座り心地と、お尻の前方へのずれを防いでいます。高い位置でも安心してご利用いただけます。
また、背には取っ手を標準でつけています。これも活動的なワーカーを支援するためです。立ったり座ったりが多いと
どうしても背の部分が汚れやすくなります。それを防ぐためです。
座クッション底部の溝が快適な座り心地を実現 お尻が前にずれにくい効果もあります
取っ手を標準で装備 背を汚れにくくしています
■是非お客様へご提案ください
星野 : それではACW会員の皆様へメッセージをお願いします。
岡田、: 日頃よりコクヨ製品を拡売いただきありがとうございます。
佐川、 『ストラタ』『エルア』 は、ACW会員の皆様のお客様への販売に期待しています。具体的には教育委員会(小中学校
千田 の職員室)、塾、士業のオフィス、あらゆる店舗やショールームのバックヤード事務所、中小規模の事務所などなどです。
是非ご提案いただき、お気づきやご要望がありましたらお知らせください。何卒よろしくお願いいたします。
提案書はこちらから
『ストラタ』
『エルア』
これからも様々な情報をお届けしたいと思います。
会員様からのお声もお待ちしておりますので、ぜひ下のアンケートからご意見・ご感想をお寄せください。
ありがとうございました。