第27回 ニューノーマル時代の「オフィスのカタチ」とは?<後編> 2021/5/26
ニューノーマルの時代にオフィスはどのようになっていくのでしょうか?
我々も、そして何よりお客様の経営者にとって、大きな関心事です。
本稿では実例に基づき、前後編2回に分けて「ニューノーマル時代のオフィスのカタチ」を取り上げます。
後編では、ニューノーマルの時代の「オフィスのカタチ」はどんなカタチ?について、考えます。
※本稿の、文、図(パースなど含む)は、全て転載厳禁となります。
前回のおさらい:「オフィスのカタチ」 を決めるものは? 第26回<前編>はこちら
前編では、ニューノーマル時代の「オフィスのカタチ」は、どのようにして決まるか、について考えました。
1)「出社率」と「フリーアドレス導入率」は、デスク席数など「オフィスのカタチ」を決める上で重要な与件となります。
2)「目指すオフィスでの働き方」が、どんなスタイルなのかで、「オフィスのカタチ」の方向性が決まります。
3)「エリア面積構成比」の違いから、「オフィスのカタチ」が大きく変化します。
つまり、この3要素が明らかになれば、「オフィスのカタチ」が見えてきます。では、具体的に見ていきましょう。
------------------------------------------------ <CONTENTS> --------------------------------------------------
■4つの「オフィスのカタチ」
【1】プランD 「オフィスで働くのが基本」
【2】プランC 「フリーアドレス導入によるスペース有効活用」
【3】プランB 「リモートワーク併用でのABWを定着させる」
【4】プランA 「コミュニティ中心 ABWを進化させる」
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■4つの「オフィスのカタチ」
ACW事務局とコクヨマーケティング株式会社 空間ソリューション本部(設計部門)との合同チームによって、
ニューノーマル時代のオフィスプランの実施例を調査・分析いたしました。
すると、4つの方向性が見えてきました。以下でご紹介します。
【1】プランD「オフィスで働くのが基本」
このプランは、従来からある最もスタンダードなプランです。
ニューノーマル時代にはこのようなタイプからの見直しが進むことになりそうです。
1)「出社率」は100%、「フリーアドレス導入率」は0~30%のモデルです。
2)「目指すオフィスでの働き方」 は、デスクワークが中心でワーカー全員分のデスク席を用意しています。
組織変更に対応しやすいユニバーサルレイアウト(組織変更時にはレイアウト固定で人が動く)です。
3)「エリア面積構成比」 は、デスクエリアが約50%あり、最も大きな面積です。
プランD「オフィスで働くのが基本」のオフィス
デスクエリアを大きくとり、組織変更にも柔軟に対応できるレイアウトになっている ※転載厳禁
【2】プランC「フリーアドレス導入によるスペース有効活用」
このプランは、出社率をやや抑え、フリーアドレスを部分的に導入したプランです。
フリーアドレス導入により浮いたデスクスペースをコミュニケーションのためのスペースへと見直しています。
1)「出社率」は70~90%、「フリーアドレス導入率」は約40%のモデルです。
2)「目指すオフィスでの働き方」 は、デスクワークをベースとしながらも、
チームワークや部門を超えたコミュニケーション強化を目指しています。
3)「エリア面積構成比」 は、デスクエリアを約33%に抑える反面、ラウンジスペースを約15%と大きくとっています。
左翼がフリーアドレス席、右翼が固定席、センターにコミュニケーション重視のラウンジを配置しています。
デスクは可動式のものを採用しています。
プランC 「フリーアドレス導入によるスペース有効活用」
デスクエリアをセービングし、センターにコミュニケーション・ラウンジを設けている ※転載厳禁
【3】プランB「リモートワーク併用でのABWを定着させる」
このプランは、出社率は50%程度となり、働く目的や気分に応じて場を選択するプランです。
ワーカーには高い自律性が求められます。フリーアドレスやリモートワークに、ある程度の実績が必要となります。
1)「出社率」は40~60%、「フリーアドレス導入率」は約70%のモデルです。
2)「目指すオフィスでの働き方」 は、働く目的や気分に応じて場を選択できる自律性の高い働き方です。
3)「エリア面積構成比」 は、デスクエリアを約24%に抑える反面、ラウンジスペースを約27%と大きくとっています。
オフィスにおいても、オペレーション、集中、WEB会議、会議、コラボ、気軽なコミュニケーション、
リフレッシュなどなど・・・様々な働くシーンに合わせて場を選択することができます。
プランB 「リモートワーク併用でのABWを定着させる」
様々なワークシーンの場を用意している/ワーカーには自律性が求められる ※転載厳禁
【4】プランA「コミュニティ中心 ABWを進化させる」
このプランは、出社率は20%程度となり、オフィスの価値、オフィスに来る意味を大きく見直したプランです。
オフィスに来る意味をリアルなコミュニケーションを行うことに特化しています。
ここで様々な出会いが生まれ、刺激を受けることが目的です。会社と人、チームと人のエンゲージメントもここから生まれます。
1)「出社率」は10~30%、「フリーアドレス導入率」は100%のモデルです。
2)「目指すオフィスでの働き方」 は、出会いや刺激の生まれるコミュニケーションが中心です。
3)「エリア面積構成比」 は、デスクエリアを約13%に大きく抑える反面、ラウンジスペースを約40%と大きくとっています。
オフィスにおいては、偶然の出会い、プロジェクトワーク、コラボ、意思決定会議、ワークショップ、プレゼン、
イベントなどなど・・・コミュニケーションが中心の場となります。社内外含めたコミュニティの場となります。
プランA 「コミュニティ中心 ABWを進化させる」
様々なコミュニケーションが生まれるコミュニティ中心の場となる ※転載厳禁
実例から見た4つの「オフィスのカタチ」について見てきました。
ニューノーマル時代のオフィスは今後も様々なカタチに変化をとげることになるでしょう。
ACW事務局では、このようなオフィス事例を収集し、さらにこの「オフィスのカタチ」をブラッシュアップしていきたいと
考えております。皆様方からもこのような事例情報を提供いただけますと幸いです。ぜひよろしくお願いいたします。
これからも様々な情報をお届けしたいと思います。
会員様からのお声もお待ちしておりますので、ぜひ下のアンケートからご意見・ご感想をお寄せください。
ありがとうございました。